子宮頸がんワクチンキャッチアップ接種、駆け込み多すぎ

令和6年9月中に第一回目のワクチン接種に滑り込まなければ、3回の接種で約10万円の助成が終わるからでしょうか、9月19日現在で連日多くの若い方が、ワクチン接種の為に受診しています。
1日で14名の方に接種すれば、2名くらいは接種後に気分不良で倒れます、大事には至りませんが。
「ワクチン打った方がいいですか?」とか、よく聞かれるので今一度考えてみました。

産婦人科医としては、接種を勧めます。
今から二十数年前の医者になりたての1998年の話です。入院病棟にいた18歳のMちゃんは、進行した子宮頸がんの子でした。病気が進んで直腸まで広がり膣から便が出ていました。自分より若い子の闘病姿を見て思ったのはmiserableです。その頃はやっと、どうやら子宮頸がんとウイルスが関係あるらしいと分かってきた時代。Mちゃんのインパクトが大き過ぎてその後の産婦人科医師人生において、早期発見・早期治療のための、定期検診は大切だと思っています。
子宮頸がん検診から精密検査になりコルポスコピー検査をして、がんの前段階の異形成の方の診察もしています。「どうしたら治りますか?予防できますか?」と聞かれるので、予防したいなら性交デビュー前のワクチン接種がありますとお答えしています。
軽度異形成〜中等度異形成はほとんど自然治癒するので、癌とは程遠く心配は少ないですけどね。

母親として年頃の娘に打たせますか?
子供はいないので仮定の話ですが、子宮頸がんになると治療で子宮を摘出する必要がある→子宮を摘出すると今の日本では借り腹での妊娠はできないので、妊娠を考えているなら打つ選択肢もあるよと娘に聞いてみる→分からないと返事があったら、今は打たせない。
娘が妊娠出産を考えられる年頃になって打たないと決めたら、パートナーができてセックスするようになったら2年に一回の検診は受けようねと話す。

私が高校生だったら打つか?
既に子供を産むつもりはないので、打ちません。
注射とか痛いの、そもそも苦手です。
病気にならないように、生活習慣などに気をつけます。それでも罹ったら、手術で治るなら子宮をとります。

結構痛い筋肉注射で、副作用もあるワクチンですから、色々情報を集めて決めるといいかと思います。